もっと早く気づけばよかった

いつでもどこでも寝られる!という人のことを、心底羨ましく思います。

というのも、大人になって電車や飛行機で熟睡したのは数えるほどしかないし、仮に一日がかりのドライブで親切にも「寝ていいよ」なんて言ってもらえても、仏像みたいな半眼で助手席に座り続けていることになります。

 

旅行中などで、特に最初の夜になかなか眠れない人のことを “センシティブ・スリーパー” と呼ぶそうですが、なんだかこの感覚に近い気がします。

これには私たちの祖先が馴染みのない環境でなかなか眠れなかったことで、捕食者をより素早く察知することができ、命が救われたという進化的な考え方もあるそうで、自分の前世に“侍”が一人、入っているような気がしている私としては、やっぱり殺気に対する神経が研ぎ澄まされているから眠れないのかな・・・などと思えてきました。笑

 

冗談はさておき…それでも数年前までは、家ではそれこそ10時間ノンストップで眠ることができたし、それに幸せを感じたりしていたわけですが、いつの間にか7時間寝られれば充分になり、それもノンストップではいつの間にかいかなくなり、3時間-2時間-2時間みたいな、細切れバージョンになってしまったことに、軽いショックを覚えました。

 

加齢や介護、それに日々の生活でどうしたって脳をフル稼働させなければいけない時期もあったりと、理由は色々あると思うのですが、私の場合、眠れないことそのものよりも、ウトウトしている時に感じるある状態の方に、よりイライラしている!ということに、ふと気づいたのでした。

 


それは「枕にイラついている」という状態で、一旦起き上がってバスタオルなんかで高さを調整してみたりしても、首や肩がどうもしっくりこない感覚にイライラしてしまい、さらに眠れなくなるという負のスパイラル。

 

昨今の安眠ブームはけっこうきてますし、寝具とこれまで真剣に向き合ったことがある人にとっては、枕の重要性なんて当たり前すぎてお話にならないのでしょうが、私の場合はどこかで諦めの境地というか、真剣に自分事として考える!ということをしてこなかったのでした。

 

というのも、意識があるときの100%を横向きで寝ている身としては、とにかく硬くて高さのある枕が理想なのですが、量販店へ行ってみたり、ネットで軽く検索をしたりすると、それが仰向けメインの標準的な枕とは、かけ離れていることを嫌でも自覚させられたからです。

 

なので「横向き寝」という当たり前すぎる検索ワードを、突如としてひらめいたことで、諦めていた理想の “横向き寝枕” という代物を手に入れることができ、長年の枕問題があっという間に解決された時は、何だかキツネにつままれたような気分でした。

それ以来、仮に寝つきが悪い夜があっても、その快適な寝心地にニヤニヤしながら寝返りを打つほどまでに幸福度が上がりました。笑

 

ちなみに、科捜研の沢口靖子さんも長いこと自分に合った枕に巡りあえず、玄関マットとバスタオルで調節したお手製枕によって安眠を手に入れたそうですし、テレビの企画でオーダーメイドの枕を作ってもらっていた50代くらいの男性タレントが、一ヶ月もしないうちに合わない気がしてきて、今は別の枕を使っている…と言っていたのを見て、理想の枕との出会いの難しさを感じるとともに、私の枕との出会いは、決して遅すぎたわけではないのだと思うようになりました。

 

けれどやっぱり、“横向き寝” というシンプルなワードなだけに、もっと早く気づけばよかった!と思わずにはいられないという、諦めの悪い私なのでした。