10年日記は面白い!?

皆さんは10年日記をご存じですか?

ブログも日記の一つではありますが、これとは別に紙またはデジタルベースの完全パーソナルな日記をつけている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ブログを始めてまだ数日の私ではありますが、紙ベースでの日記歴はかれこれ20年近くになります。中高生の頃は何度かトライこそしたものの、どう頑張っても三日坊主で終わってしまい、毎回挫折し続けていた自分が、あるきっかけを機にこうして20年、今ではもう書かずに一日を終えられない人間になってしまいました(笑)

 

それは、カナダへ語学留学に行きたくて新卒で入った会社を退職することになった時、先輩方が餞別として贈ってくれたのが“10年日記”でした。10年日記というのは、その名の通り、1ページに10年分の記載欄があり10年で完結する日記帳のことです。

 

既に渡航荷物は満杯に近く、続けられる自信もなかった私の心は複雑で、日本に置いていこうかとも思ったのですが、「これから始まるカナダでの1年はあなたにとって1日1日が貴重になるでしょうし、これからの10年間は人生で一番変化も多く、楽しい期間だと思うので」との添付されたメッセージを無下にもできず、泣く泣く持参したのでした。

 

案の定、カナダでの生活は毎日が刺激的かつ楽しすぎて、毎晩ベッドの中でニヤニヤしながらその日あったことや気持ちを書かずにはいられない境地になり、三日坊主どころか欄が狭すぎる!(そりゃ通常の十分の一のスペースしかないから)書ききれない!!と既に2年目の欄にまでなだれ込みそうな勢いで記録し続け、あっという間に1年が過ぎたのでした。ここまでくればもうこっちのものです!!!

 

夢物語は終焉を迎え、日本での現実に戻された2年目ではあっても、日記を開けば1年前の同じ日のキラキラした自分の心情が鮮明に思い起こされ、そんな自分からパワーをもらえたりして、10年日記の本領を発揮し始めたのでした。

 

もちろん、10年もあれば辛い日々やぱっとしない日常も沢山あるのですが、それはそれで前年と変わらない自分に呆れながらも苦笑いしたり。一時は単調な日々すぎて晩御飯や観たTV番組を記録しているだけの期間もあったのですが、それでも「3年前の今日と同じご飯食べてる」なんていう些細な発見ができるのも、10年日記ならではの楽しみ方だと思います。

 

そして10年後には、本棚に並べたくなるような、世界に一冊しかないエッセイ集の完成です。10年日記、お勧めです!

 

 

荒川洋治さんの著書『日記をつける』の中にシンプルですが、好きな言葉があります

日記をつけると、その一日が整理できる。あんなことも、こんなこともあったが、結局こういう一日だったということが日記をつけながら見えてくる。日記をつけてようやく一日が終わる。ああ、終わった。そのときの気分は、いいものである。 出典:荒川洋治 日記をつける