イライラを筋肉に変える

スペインには『幸福に暮らすことが最高の復讐である』ということわざがあるそうですが、誰かにひどい仕打ちをされた場合はもちろん、日々のちょっとしたイライラやムカツキであっても、それを溜めこんだせいで病気になったり、または変な方向で発散して人生が破綻に向かう・・・なんて理不尽すぎて、絶対いやだ!と思ってしまいます。

 

父が亡くなり、私自身も日々の生活を立て直すのにいっぱいいっぱいだった頃、恐らくそれ以上の喪失感でいっぱいだった、母からの理不尽な言動の数々に何度かやられかけました。身震いするほど腹が立つとはこういうことか・・・なんて感動すら覚えたものの、この心身の閉塞感みたいなものを何とかしないと、あたしゃ何をしでかすかわからんな…との焦燥感から、真剣に打開策を考えました。

 

とはいえ相手の性格や考え方を変えることはできないし、かといって自分が悪いともやっぱり思えない。けれど、いつかは必ず誰とも別れが来るのに、恨んだり憎んだりするのも時間がもったいない・・・今後同じシチュエーションになっても、おかげ様で…なんて相手に感謝の念すら芽生えるような奇策はないだろうか?

 

『イライラを筋肉に変える』

 

それはイラっとするたびに腕立て伏せをする!というもので、久々にやる腕立ては5回でもプルプルし、腕の痛みと筋力の低下を実感するショックで一瞬にしてさっきのイライラなんか消し去ってくれる、という自分ショック療法。

 

こうしてイライラムカムカのたびに腕立てをやり続けること約一年。筋肉は裏切らないとはよく言ったもので、軽く20回はできるようになった頃からでしょうか・・イライラの回数が劇的に減ったことにより、幸か不幸か意識的にやらないと保てなくなってしまいました。

 

ということで現在は比較的平和な日々が戻りつつあるわけですが、イライラのピーク時は腕立てだけでは到底おさまらず、やっぱり “ヒトカラ” が大きな役割を果たしてくれました。おかげで長渕剛さんの“泣いてチンピラ”を5回連続歌って、憑き物が落ちた顔で帰宅することができたし、5時間歌い続けても絶好調な喉の筋肉をも手に入れることができました。笑

 

読み返すと色々な意味で恥ずかしいのですが、以前から気分のリフレッシュに絶大な効果をもたらせてくれていたヒトカラに、命を救われたと言っても過言ではありません。

rubyleo.hatenablog.com

 

そして言ってやりたいのでした。

 

天国の父よ!

平気な顔を装いながらも、あなたを絶対に倒れさせないようにサロンパスだらけだった頼りなかった私の腕は、今では10キロの米を5キロと錯覚するほどに逞しくなったぞ‼

私が歌う長渕が大好きだったあなたと一緒に行った、最後のカラオケの日からまた一段と上手くなってしまったぞ‼

それもこれもあなたの大好きだった妻のおかげ。

 

もうすぐ父が旅立って2回目の夏がやってくる。

だめだ。やっぱり泣けてくる。