聖地巡礼に再び憧れる

“推し活” とか “聖地巡礼” といった言葉が当然のように使われはじめて久しい昨今ではありますが・・・皆さんには「推し」や「聖地」が存在しますか?

 

自分の周囲を見渡してみても、例えば初対面で、年齢も経歴もバラバラの女性達が、K-POPの推しが同じということが判明した瞬間に、10年来くらいの親友感を醸し出し、SNSを駆使しながら日本や韓国を一緒に飛び回る…なんていうのは日常茶飯事で、そのパワーと行動力にただただ脱帽していました。

 

そしてふと自分自身に問いかけたのです。

「私は、推しも聖地もない人生なのだろうか・・・」と。笑

少なくともこの絶妙なネーミングが流行り始めてからは、“誰か”や“何か”に全身全霊でエネルギーを注いだ記憶はありません。

 

しかしながら振り返ってみると、あれは今で言う立派な推し活とか聖地巡礼だったのではないか・・・と思われることがいくつか浮かんできたのです。

 

恐らくここから先は、多くの方々にとって意味不明、もしくは苦笑の時間になると思いますが、どうか目をつぶって・・・いや目を開いてお付き合いください。

 

暴れん坊将軍(赤ちゃん~大学時代)

サンバを踊るずっと前から松平健さんのファンだったこともあり、京都太秦映画村に行くのが夢になる。19歳で念願叶い、「南町奉行所」と町火消「め組」の撮影セットに入ったときは、感極まって泣いた。以後、京都へ行くたびに赴くことに。

 

②ドラマ  フルハウス(高校時代)

NHKの教育テレビで放送していたアメリカのシチュエーションコメディ。主演のジョン・ステイモス氏があまりにもかっこよく、アメリカのテレビ局にファンレターを送ったところ、(恐らくTV関係者から)手書きの返事をもらい、人生で最初に行く国はアメリカだと決意する。同時期にBonJoviMR.BIGといった洋楽を浴びるように聴いて歌詞を和訳し、英語を話したいと強く思い始める。

 

③ドラマ  ビバリーヒルズ高校&青春白書(大学時代)

不良で母性本能をくすぐられるキャラクターのディランを好きになる。ブレンダやケリーといった女性陣も美人で愛らしいキャラで、とうとう人生初の海外=ロサンゼルスに一ヶ月滞在し、ビバリーヒルズやグリフィスパーク天文台といった撮影場所を訪れ、鳥肌が立ち続ける。これぞ聖地巡礼

 

中日ドラゴンズ(社会人数年間)

アライバコンビ全盛期頃から突如としてプロ野球にはまる。燃えよドラゴンズをカラオケで歌うこと数知れず。平日でも強行スケジュールでナゴヤドームで観戦すること数回。ただし現在は興味ゼロ。

 

 

以前にフィギュアスケート羽生結弦さんのファンの方が、彼のファンになって自分自身が礼儀正しさを意識したり、道でゴミを拾ったり、姿勢をよくしたり、肌を丁寧にケアしたり…自分が高められていくみたいで、いいことずくめで感謝しかありません…。

みたいなことを語っているのを見て、推しの影響力の凄さを感じたことがありますが、私自身も、英語や海外に関して行動することになった「大きな一推し」の “推し” が、これら過去の “推したち” のおかげだったのかもしれない…と考えると、これも立派な出会いの一つなのかもしれないと思ったのでした。

 

たとえ動機は不純でも、人生を大きく好転させるきっかけは、案外そこら中にあるのかもしれませんね。

 

とはいえ、もう何年もそんな推しや聖地とは無縁の生活をしているなあ・・・などと感傷的になったのもつかの間、私にはまだ行かなければならない、ラスボス感漂う聖地があるのでした。笑

 

それは東京の門前仲町にある『花菱』という小料理店。

長渕ファンの方はニヤっとされたと思いますが、ずっと心の奥の奥にしまいこんでいたこの聖地を、集大成として、もしくは新たなスタートとして、そろそろ引っ張り出す時が来たような気がしている今日この頃なのでした。