自力で写真をデジタル化する

皆さんは、

「いつかはやりたいと思っているけれど、忙しいし、面倒くさいし、なかなか実行できないなぁ・・・けどこれを成し遂げたら、達成感と爽快感がはんぱないだろうなぁ。。。」なぁんて日々思っていること、ありませんか?

 

人間、生きているだけで大なり小なりこんなことの積み重ねなのかもしれませんが…

『過去のアルバム写真を全部デジタル化する』

というのが、私の中で長年のそのトップオブトップでありました(笑)

生まれた時からデジタル世代の皆さんにはピンとこないかもしれませんね。

 

そう、現像した紙の写真を一枚一枚丁寧に貼って、ビニールシートでとじてある、あの重厚感たっぷりのアルバムたちとの勝負のことです。

あれらの写真が、すべてデジタル化されて、自分のスマホやパソコンで好きな時に見られるように整理できたら、便利だし、近年のデジタル版と合体させて楽しくなりそうだなぁ・・・と思ったのは私だけでしょうか。

 

私の場合、この心理がかなり昔からあったとみえて、デジカメが世間に出始めた頃だったでしょうか・・・あの重厚アルバムに貼ってあった写真のほとんどを、ポケット式のアルバムに移し替えるという、けっこうな作業を既にしたことがあり、収納スペース的にはかなりすっきりさせていました。

 

ちなみにどうしても写真をはがしてポケットタイプに移すことができなかった一冊というのは、両親が写真の隣にメッセージを書いて貼付してくれていた赤ちゃんの時の人生最初のアルバムです。

 

とはいえ、スマホを持つ数年前までの、デジカメで撮った写真たちも、結局そのほとんどを紙にプリントしてアルバムにしていたり、海外での写真にいたっては、国ごとにファイルしていたりと、なんだかんだで6000枚くらいの紙写真が存在していました。

(ちなみに、デジカメで撮った写真の結構な量のデータをパソコン本体に保存していたのですが、突然の落雷により一瞬でぶっ飛んでしまったという悲しい過去があります。紙にプリントしていなかったら、全てがこの世から消失していたと思うと・・・アナログを併用していた当時の自分を褒めてあげたいと同時に、現在はクラウド=神様に感謝の日々です)

 

調べてみると、有料でデジタル化してくれるサービスや、専用スキャナーが販売されていたり、手軽なアプリも存在したりと、様々な方法があることを知りました。そして検討に検討を重ねた結果、出した結論が・・・

 

「自力でやる」というものでした。笑

つまりは、カメラ機能がそこそこの自分のスマホで、ひたすら写真を写真に撮っていく…ということです。

 

腕の調子がおかしくなりながらも、毎日毎日撮り続けた結果、3ヶ月くらいで何とか完結させることができました。ちょっとかかりすぎじゃない?と思われた方。正解です。なぜならトータルでは3倍の18000枚くらい撮ったことになるからです。

 

というのも、人間には向上心というものがあるらしく、一回通りやり終えて見返した際に、特に初期の頃の自分の撮影の“腕”に不満がでてきて、光や影の入り具合や、ピント、それにアングルに至るまで、何だか「ちがう!」などと、まるで敏腕カメラマンみたいな自分が出現してきたのです。2周目半あたりから「誰か止めてくれ」状態になりかけましたが、3周目でなんとか止めることができました。笑

 

冷静に振り返ると、当時はコロナ禍で外出制限が出ていたり、父親が入院しても面会させてもらえなかったりと、時間だけがたくさんあって、でも何もできないもどかしさの中、テレビを見ても笑えず、読書さえする気がおきなかった精神状態で、唯一ひたすら写真を撮り続けることで、現実から逃避していたのかもしれません。

 

そんなこんなで、今ではスマホの中で綺麗にフォルダ分けされた写真を見ながら、感慨にふけっております。また、昔からの友人たちに、思い出の写真を不意打ちでLINEに添付して送ったりすると、思いのほか大喜びされたり、何人かには「懐かしすぎて泣けてくる」と言われたりして、あらためてやってよかったと思っています。

 

断捨離の達人からすると、この場合、紙の写真の全部または一部を処分したりするのかもしれませんが、私にはまだその勇気はなく、ファイルもしっかり棚に収まったままです。

とはいえこれまでの、“もしも着の身着のまま逃げることになったら、あの写真たちを二度と見られなくなっちゃうよ~!” などと、密かに怯えていた気持ちから解放されただけでもよしとしている私なのでした。